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バセドウ病(甲状腺)眼症の手術(眼窩減圧術)の話_手術編 - luuu_space

バセドウ病体験記

バセドウ病(甲状腺)眼症の手術(眼窩減圧術)の話_手術編

2016/09/15

こちらの記事は手術編です。
手術までのお話はこちらでどうぞ
バセドウ病(甲状腺)眼症の手術の話_手術まで

 

「ーーさん、ーーさん、起きて、目をあけてください。ご家族が待っているから、病室に帰ろうね。」

やめてー。静かにして。なにいってるの?暑いよ。
それが手術から目を覚ましたときの記憶。でも、これはおそらく記憶違いだと思います。

手術は眼窩減圧術という方法で、目尻に1.5㎝ほどメスを入れます。
メスを入れた箇所から目の下あたりをぺろっとめくって、(おそらく眼球などをどかしつつ...)、神経周りに絡みついた脂肪を除去したり、蝶形骨を削って突出した眼球を入れるスペースを作って突出した眼球を押し込む手術です。こうやって書くとかなり原始的な方法のような気がしますね。

前日の午後に入院して、とりあえずやることはないのでゆっくり過ごしました。
手術といっても、生活できないほど苦労しているような状態ではなかったし、言ってみれば、バセドウ病を患っているくらいで他にはぜんぜん健康だったわけで。人生で初めての経験だったから、手術がどんなものかイマイチわからなかったし、実感がわかなかったです。(この時はまさか甲状腺を摘出することになるなんで思ってもみなかったですしね...。)家族が帰ってからは少し淋し気持ちにくらいはなったかもしれないけど、緊張はしていなかったです。

その日の夕方、病院の外来時間が終わった後に先生の診察。手術するんだなと、先生の顔を見て改めて思いました。
「大丈夫だよ。任せてくれればいいから。」と、力強い言葉をいただいて。ますます安心感が増したのでした。不安や緊張をあまり感じなかったのは、ケアもしっかりしてもらったおかげですね。

私の場合は両目同時に手術をしたので、片眼3時間づつ、計6時間の予定でした。
朝8:30位に手術室に、車いすで入りました。手術台に寝て、いろんな部位になにかしらの管だったり計器だったりがついて、全身麻酔。当然その後の記憶は何もありません。
そして10時間後、記事冒頭の目覚めとなります。予定時間を大幅に超えて無事に手術を終えました。

バセドウ病の手術のときの記事にも書いたんですが、全身麻酔からの目覚めは、何もないところから、ハッと意識が戻る感じで、眠りから覚めるのとは全く違う感覚。この感覚を思い出すと、少しだけ怖くなります。この手術のおかげで手術自体の心構えはできたんですが、全身麻酔への怖さや不安はぜんぜんあります。この違和感ある感覚だけではなく、根本的に体質に合わないってことがこの手術で身にしみてわかったことが不安の原因です。
とにかくひどかったのが、気持ち悪さ。麻酔から冷めた途端に気分が悪くなり、夜も眠れないくらい吐きつずけて、次の日もまだ吐きつずけ。特に10時間も麻酔をかけていると、使う量も多かったことが考えられます。この体験から、甲状腺の摘出のさいは、麻酔科の先生には散々不安がある旨、相談しました。ホント全身麻酔はイヤ。
あとこれは余談ですが、麻酔から目覚めた時の記憶って、だいたい記憶違いらしいです(体質とか使う量にもよると思いますが)。身体は目覚めていても、意識はまだはっきりしていないらしいです。私は術後、両親が帰るときに声をかけられて、ありがとうの意味で手をちょっと振ったつもりだったんですけど、そんなこと全くなかったらしいです。とにかく辛そうに吐いてるだけだったと(笑)ドラマのようにはならないですね。

10時間。
これは、私の突出具合がかなりひどかったことから、先生がなるべく出来るだけの処置を施してくれた結果でした。もちろん私はそんなこと知る由もないのですが、家族は心配で心配でそわそわしてたらしいです。予定より4時間もオーバーしていたらそうなりますよね。先生はただ手術を施すだけでなく、なるべく美容上の仕上がりを考えてくれる方なので、余計に時間がかかったようです。神経周りの手術なので、相当難しく神経を使う手術だと聞いたんですが、10時間って、先生の体力にも驚きですよね。

記憶を掘り返して記事にしているのであやふやな部分は書かないようにしていますが、はっきりくっきり覚えているのが、ドレーンからの血抜きです。
術後、患部から血を抜くために細いチューブを目尻に通しているんですが、血がたまらないように血抜きをするんです。両目を塞がれているし、包帯ぐるぐる巻きだし、気持ち悪いしで、術後どれくらいの時間が経ったか不明です(家族はいなかったのでおそらく夜かなと思います)が、先生が病室に来て声を掛けてくれたと、うれしく思ったのも束の間。
ごめんなーと言われ、患部を上から、ぎゅーーーーーっと押されたのであります。
悶絶。
声も出ない。
この世のものとは思えない。
もう何すんだよ、とも思えない。
こういうとき人って、痛いとかの言葉は出ないんですね。妙なうめき声みたいなものと、手がもがいていた。無意識に。
信頼している方の行為なので恐怖とかじゃないんですが、本当に驚くしかなかったわけです。今となっては笑い話ですけども。

余談も入ったせいでしょうか、なんか長くなってきました。この記事を手術編として、手術翌日からの話と後日談は改めて(なるべく早めに)書くことにします。

手術までのお話はこちらでどうぞ
バセドウ病(甲状腺)眼症の手術の話_手術まで

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