甲状腺摘出(バセドウ病)手術と甲状腺眼症の関係
2016/09/13
先日、ブログを読んでありがたくも連絡をくださった方が、”サッカーの本田選手は甲状腺の摘出手術しているはずだけど、眼症の方が進んでいるように見える”という内容のお話をされていました。私も気になったのでテレビで見てみると、言われてみればそんな気もするな...?と。実際にはわからないですが、なんとなく...?
私は2011年に甲状腺(バセドウ病)眼症の手術を受けています。すでに炎症が治まっている状態で、眼球突出を軽減させる手眼窩減圧術でした。眼症の手術後の話では、甲状腺眼症の炎症は完全に治まっているし、バセドウ病が安定していれば(その時は安定していたので)、炎症の再燃もないだろうと言われていました。何かしらの原因でバセドウ病が悪化した時には可能性はあるという話だったと記憶しています。結局はその、”何かしらの原因”で、バセドウ病が悪化したので甲状腺の手術をすることになったわけです。(...と、バセドウ病が悪化した割には眼症の再燃はなかったんだなということをここまで書いて気がついた。)
甲状腺がなくなればまるっと不安なし!と勝手に楽観的に思っていたわけですが、前述のように、摘出してもまた眼症の再燃があるのかも?!と、考えてもみなかった疑問が浮上したのでありました。
奇しくもお問い合わせをいただいた先月30日は、4ヶ月ぶりの診察の日(正確には診察日だと思っていた日)。本田選手がどうなのかについては関係者じゃない限り推測になってしまうので置いておくとしても、せっかくの診察なので先生に件の話をしてみました。
結論から言うと、そのようなこともあるとのこと。
バセドウ病と眼症は別物で、それは、自己抗体(TSH刺激性レセプター抗体、甲状腺刺激抗体などと言われています。TSAb。)の数値が手術後どのように推移しているかが重要となるようです。私はホルモンの数値(T3、T4、TSH)ばかりに目が行きがちだったのですが、そういえば以前、投薬のときに通っていた病院でバセドウ病の勢いを表す数値と言われた気がします。違ったかな...?
甲状腺眼症は、バセドウ病の自己抗体が眼球の神経周りや脂肪を刺激して炎症させるわけですが、手術のときに眼症がどのような状態なのか。炎症があるのかどうか。ホルモン値と自己抗体値は下がり方に時差があるのと、手術後に自己抗体が徐々に下がっていくとしても、(その人の状態にとっての)理想的に下がってくれるとも限らない。なので、眼症の炎症の状況によっては、下がりきっていない自己抗体の刺激を受け続けて、バセドウ病とは関係なく眼症の悪化もあり得るということらしいのです。
因みに私のTSAb値は、術前に1200あったところから、800→500→180・・・と順調に低下しています。通常が120程度なので、ほぼ通常のラインに到達すると考えていいようです。たとえ眼のほうに症状があったとしても、そちらの腫れも治まっていくだろうから心配ないと言われました。
そうだったんだ...と。
「よく寝れてますか?」ー はい、ぐっすりと。
「ちゃんと食べれてますか?」ーはい、ちゃんと。
「体重はどれくらい?」ー 残念なことに現状維持です(術後±0〜+1.5㎏前後をゆらゆら)。
「傷の具合もこんなもんだね。」ー ですよね。
診察は毎回このような感じ。
診察には全く手抜き感はないのですが、特に体調不安がなかったことから、自分の状況をしっかり聞いていかなったという残念な私です。それだけ健康で何よりだとも思うわけですが、それなりの手術を受けたのですから、もう少し気にしても良さそうなものですよね。お問い合わせで疑問を投げかけていただかなかったら全然思いつきもしなかったことでした。
ブログを始めた当初は、似たような境遇の方に少しでも役立てればと思っていましたが、予想以上に多くの方に読んでいただいたり、コメントやメッセージをいただいて。ありがたいことにこちらの方がまた新たな発見や情報を得る機会をいただきました。そんなこんなで、この内容は記事にすることにしました。
ただ重要なことですが、私はあくまで素人です。先生から聞いた話を記事にしたつもりではありますが、先生も素人相手に話した内容なので、ごく簡単に説明していると思いますし、お話を解釈して記事にしているのは私の頭なので、残念ながら正確性の保証はできません。この記事を読んで、気になることがあれば専門家に相談してくださって、出来れば私にもまた教えていただけたら、よりうれしく思います。というのも、もっともらしく記事を書くのは簡単なのですが、今回本田選手の件を検索していると、不確実な情報で溢れていて。バセドウ病に関しての記事も然りで、本当に情報を必要としている人たちを混乱させるようなブログにはしたくないと考えています。そんな気構えで今後も自分の経験や先生からの話などの記事、少しづつ書いていきたいです。何かあれば、コメントやメッセージをくださるとうれしいです。
余談ですが...
本当は一週前だった予約を、何を勘違いしたのかすっかり30日だと思い込んだまま病院へ。(当然予約が入っていないとか何とかでバタバタだったのですが、案外スムーズに診察までこぎつけることができてありがたい限りでした。)すっかりご迷惑をおかけしたわけです。あはは...うっかり、うっかり。
現在は甲状腺の全摘出から1年3ヶ月です。
術後は1ヶ月間隔の通院でしたが、3ヶ月目くらいから4ヶ月間隔になりました。厳密に言うと、血液検査をした翌月からの4ヶ月間隔となったので...2015年7月診察&血液検査、2015年8月検査結果&診察、2015年12月診察のみ、2016年3月診察&血液検査、2016年4月検査結果&診察、2016年8月診察&血液検査...という感じです。
こうして見ると、手術前は数値が安定しないのもあって1か月毎に通院していたので、4ヶ月間隔ってずいぶん楽になりました。
診察日がいつだったか、忘れがちですけども。